【クラシコ 山野常勤監査役インタビュー】
「社長を応援し、日本を元気にしたい!」
常勤監査役の思いとその仕事術

クラシコ株式会社
常勤監査役 山野 智也子

お父様の会社をサポートしたいという思いから会計士になられた山野さん。
社長を応援したい、日本を元気にしたいという思いで日々ご自身をアップデートされ、議論をより深いところへ導くその仕事術についてお話を伺いました。

最終更新日 2024.6.3
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

会計士のスタートは社長をサポートしたい思いから

キャリアのスタートは、監査法人だそうですね。

はい。大学を卒業した後に会計士の資格を取得し、あらた監査法人(現:PwCあらた有限責任監査法人)に入社しました。
希望して金融系の監査に配属いただき、7年ほど担当しました。
主に、投資信託会社の監査や、商品としてのファンド自体の監査などに携わりました。

金融業界に興味がおありだったのですか。

いいえ。そもそも会計士になろうとしたのは、私の父が会社を経営しており、いつかそれを手伝えたらという思いからでした。
父は会計のことは全く分からなかったので、少しでもそういった知識を学んでサポートできればいいな、と思っていたんです。
金融系の監査に携われば知識が深まると考えて希望し、経験も積むことができましたが、商流が全く異なる一般事業会社での経験も積みたいと考え、思い切って転職しました。

一般事業会社ではどのようなお仕事をされたのですか。

外資系消費財の会社で 監査ではなく経理を担当しました。
会計士でありながら日々のオペレーションを含む経理の経験がなかったので、会社側の視点から実務的な経理を自分でもやってみたいと思ったんです。

その後、将来的に父の会社を手伝うことを鑑みて、マネジメントに近い立場で働ける企業に再度転職しました。
学習塾を運営する会社の経営企画室に入り、社長に近いところで仕事をさせていただきました。
社長が意思決定しやすくなるように資料を作成したり、IRや投資家に向けた資料を提供したりと、経営を意識した仕事を多くさせていただきました。
途中から子会社も増えていったので、新会社が上場企業の子会社として成り立つように、 支援などもしました。
その流れで子会社の監査役を引き受けたのが、この仕事の最初です。

キャリアとして監査役を考えるまでの道のり

そこで、今後も監査役の道で行こうと思われたのですか。

いえ。その時はまだそこまでの気持ちはありませんでした。
その後実家の父が体調崩し、そちらの会社は辞めて父の会社に入社したことで、監査役という職務からも一旦離れました。
父の会社で仕事をしていく中で、私がそのまま父の後を継ぐのか、誰か他の方に入っていただくのかを検討していったのですが、ちょうど会社を評価してくださる方が現れて、事業承継という形で売却することになりました。
新しい企業と一緒になったほうが、これまで働いてくれていた従業員の皆さんも、会社の今後にとっても良いだろうと判断したんです。
そうしてM&Aの手続きを取り進めていったのですが、これが結構大変で、やり切った後は疲れてぼんやりと過ごしていた時期がありました。

次に監査役に就任されたのが2022年だそうですね。

はい。そのM&Aの後に燃え尽きていた頃に、先輩の会計士の方から社外監査役を勧められました。
そこで初めて、キャリアとして監査役という仕事を真剣に考えるようになったんです。
会計士の先輩で監査役をされている方や、その他のお仕事でも活躍されているいろいろな方に伺う 中で、このPJOエグゼクティブサーチの代表の早川さんを紹介いただきました。
早川さんとお話をさせていただいたところ、「こういう会社が監査役を探しているけどどうですか?」と勧めてくださったことから、2社目の監査役に就任することになりました。

PJOエグゼクティブサーチを利用してみていかがでしたか。

監査役のお仕事をご紹介くださるところはもちろんですが、それ以上によかったのが、監査役になった後も女性監査役の情報交換会などを開催してくださるところです。
監査役の諸先輩方からお話を伺えたり、また皆さん同じような悩みを持っているんだなと安心できますし、社外だからこそ相談しやすいこともあるので、そのような機会を設けていただけることはとても有難いと思いました。

経営者の視点を間近に学ぶ。常勤監査役って面白い!

実際に監査役に就任されていかがでしたか。

非常にやりがいがあります。
会計士になったのは、初めは父親の仕事をサポートしたいという思いからでしたが、今は会計の知見を活かして世の中のたくさんの社長の方々をサポートしていきたいという思いを持っています。
私は、監査役の仕事とは別に個人事務所で業務委託を受けていることもあり、いろいろな社長の方とお話しする機会があるのですが、ビジネス面ではすごい手腕をお持ちでも、会計の面では専門知識をお持ちでない場合も多いんですね。
そういった時に会計の視点を少し入れてあげることによって、社長の方が円滑に意思決定できるようになることがよくあり、そこで自分がお役に立てるというのは嬉しいです。
監査役も、まさに社長や経営陣を会計面からサポートできる仕事なので、やりがいを感じます。

現在はクラシコで常勤監査役にも就任されていますね。

面接で大和社長と会った時に、この会社や 業界に対する熱い思いを受け取って、非常に共感しました。
実際に働いている方も、ものづくりに対して熱い思いを持つ魅力的な方ばかりで、この方々と一緒に頑張っていきたい、 一緒に上場し会社を成長させていきたいと思い、お引き受けしました。

常勤監査役の醍醐味はどんなところに感じていますか。

常勤監査役となると、取締役会はもちろん社内のマネージメント層が出席する経営会議などにも参加するのですが、私が全然思いつかないような意見をおっしゃるので、いつも驚きと発見があります。
一つの意思決定をとってみても、各方面のスペシャリストそれぞれの視点と意見が集結して決定されていくのを間近に見られることが、監査役の醍醐味です。
監査役としてアドバイスする時に、なるべく経営者の視点に立てたほうがいいだろうと考え、少し前にMBA(経営学修士)も取得したのですが、経営者が日々どんなことを考えて仕事をしているかを実際にそばで見られるという意味でも、常勤監査役の仕事は面白いと思います。

「情報共有が深い議論のカギになる」常勤監査役の仕事術

常勤監査役は様々な会議に出ていると分かりましたが、どれくらいの頻度で会議があるのですか。

会社によって異なるとは思いますが、クラシコでは経営会議、取締役会、監査役会が毎月行われています。
ほかには3か月に1回、代表取締役と社外を含めた監査役陣とで意見交換会を開いており、何でもざっくばらんに話す機会があります。

そういった会議に出席される際は、どのような準備をされるのですか。

これは、他社で社外監査役もやっているからこそ感じることですが、やはり常勤と社外では持っている情報量が全く違います。
常勤監査役には、普段の会議だけでなくメールやSlackを通して内部の情報が自然と入ってくるので、例えば監査役会の一つの議題に対しても表面的な文書だけでなく、様々な経緯や事情を含めてお伝えできるように、前もって準備をしておきます。
その準備に力を入れておくと、深いディスカッションができると思うんです。
実際のところ、私も逆の立場の時に多くの情報をシェアいただけるととても有難いので、積極的に共有するようにしています。

一日の過ごし方について教えてください。

クラシコは、柔軟な働き方ができる環境なので在宅勤務の人が多く、私も積極的に在宅勤務を活用しています。。
一日の過ごし方としては、いろいろな方とお話ししたいときは、なるべく同じ日にまとめて朝から晩までミーティングしていることが多いです。
逆に、調書を作成しなければならないような時は、ミーティングを入れずにまとめて調書作成に集中できるようにしています。
終業時間は、18時くらいに終わる日もあれば、人によって遅い時間にミーティングしたほうが良い方もいるので、日によって違います。

終業後や休日はどのようにお過ごしですか。

先述の個人事務所のほうの委託作業をしたり、そういうものがない時は趣味のピアノを弾いたり、ヨガでリラックスしたりしています。
ヨガは、最近は通ったりせずに自宅でオンラインで気軽にできるので、いいですね。

「社長を応援したい、日本を元気にしたい」が私の原動力

今後、どのようにお仕事をしていきたいですか。

この監査役というキャリアをもっと積み重ねていきたいです。
いろいろな会社の監査役をもっと経験して、他社で起きた問題を自社に置き換えて考えたり、その逆に他社で「自社ではこのように対応しています」と話したりできるといいなと思っています。

少し異なる視点としては、昨今日本企業の元気がないと言われていますので、中小企業が成長していって、将来的にグローバルに出ていくような企業が増えるといいなと思っているんです。
いろいろな会社の社長の方々にお会いすると、やはり十人十色の様々な思いを持っているのが分かるので、そういった方々を応援し、監査役として支援していきたいです。

また自分の事務所のほうも、限られた仕事量にはなりますが、実際に自分の手を動かすことで得られる経験や学びがあるはずなので、続けていきたいと考えています。

最後に、今後監査役を目指す方へのメッセージをお願いいたします。

初めは、自分に監査役が務まるなんて思っていませんでした。
でも一歩踏み出してみて、本当によかったですし、時代としても女性の視点や考え方が求められているので、自分が持つ色々な素養を活かすことのできる仕事だと思っています。

能力的な不安もあるかもしれませんが、監査役になった後も、監査役協会はもちろん、女性の監査役の集まりや、会計士の集まりなどで頻繁に勉強会が開催されるので、そういったところで自分をアップデートしていくことができます。
自分が応援したい社長や社員の方に出会うことができたら、きっとこれまで働いてきた経験を活かせると思うので、是非チャレンジしてみてください。

取材・文: 大場 安希子
写真:  山根 友美

       

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