【セーフィー 古田CFO×中島常勤監査役 インタビュー】
スタートアップ企業のリアル
~いま子育てママの監査役が求められるワケ

セーフィー株式会社
取締役 経営管理本部長 兼 CFO 古田哲晴
常勤監査役 中島早香

 

昨年12月にも当サイトでインタビューさせていただいた、セーフィー株式会社でご活躍の常勤監査役 中島早香さん。
今回は中島さんを登用された同社のCFO古田哲晴さんにご登場いただき、常勤監査役採用における経営側のニーズや日々のコミュニケーションについて、リアルな思いをお聞かせいただきました。(以下敬称略)

最終更新日 2022.05.31
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

スタートアップ企業×女性の働き方ニーズのクロスポイント

中島常勤監査役を採用した経緯についてお聞かせください

古田:
エージェントを介して2019年3月にお会いしたのが初めてでした。
IPOの意思を会社として決めて、主幹事証券会社を決めなければならないという段階で常勤監査役が必要になりました。上場する2年半くらい前のことです。
常勤監査役像について内部で議論し、いくつかの選考軸を決めていました。
・ITの新しいサービスを話してもすんなりと理解していただけるように、スマホを使いこなすことのできる若い世代の方
・経営陣は会計的な面では素人だったこともあり、会計士のお仕事をバックグラウンドとしてお持ちの方
・ダイバーシティ(多様性)の観点から女性が好ましい

既に会計士としてのバックグラウンドをお持ちで、かつ女性となると、深夜まで働くハードな働き方を一旦やめて業務負荷を減らしたいと思っているママさん会計士が適任と考えていたんです。
そういったことをエージェントに伝えて募集をかけたところ、中島さんを紹介いただきました。

エージェントから中島さんへはどのようにお声がけがあったのですか。

中島:
エージェントの方からは、セーフィーは経営陣の方々が素敵で事業内容も魅力的な会社だとお勧めいただきました。
当時監査役としてはまだ1社目でBtoC事業の会社だったこともあり、BtoB事業にも興味があったんです。

そうして、一次面談の際にCFOの古田さんにお会いしました。
セーフィーには育児をしながら働くパパが多いのですが、特に古田さんは私と同い年で子供の年も同じだと分かり、毎朝の保育園送りと、週一日奥様と交代でお子さんの保育園の迎えから寝かしつけまでしているといったようなお話もしてくださいました。
大手だと男性はそういった働き方がなかなか実現できない中、役員自ら忙しい毎日の中で率先して子育てに参画されているところも、ベンチャーならではと感じました。

大手だと制度として許可はされていても、率先してそういった働き方を実現されている男性は少ないですよね。

中島:
はい。女性の気持ちも理解できる管理職の方がいると分かったのは、大きい要素でした。事業内容も興味がありましたし、他の管理部メンバーや取締役たちともお話をさせて頂きセーフィーのもつ雰囲気のよさを感じ、そこでコミットしたり共感したりする気持ちがグッと高まりました。こういった社員の方々と一緒に事業を大きくしていくのはいいなと。

ですが、その年の12月までは前任の仕事がありましたので1年近く待っていただき、翌年から就任しました。

リスクへの気づきと解決策を引き出す「つなぎ役」の意識

実際に中島さんがジョインされて、いかがでしたか?

古田:
中島さんは、バランス感覚とコミュニケーション能力が素晴らしいです。
一般的に監査役というのはお堅いイメージがあるかもしれないのですが、中島さんはその真逆。
誰とでも仲良くなれるし、色々なところに顔を出して誰とでも話せるがゆえに、みんなが本音で話してくれるので、本当の意味での会社のリスクを正しく吸い上げてくれています。
さすがは会計士でいらっしゃるので、数字的なところや押さえるべきポイント、前職の経験を踏まえて監査役として株主に対する説明責任や、内部統制上の問題などの知識も深いので、お願いしてよかったと思っています。

多様性をもたらしてくれるのではという期待に対してはいかがでしたか。

古田:
男性ばかりの経営者会議に女性ならではの視点が入ると新鮮で、やはり聞く耳を持ちますし、監査役という少し離れた立場からの提案には「そうか」と気づかされることもありますね。

中島さんは経営陣への向き合い方について、意識していることはありますか。

中島:
「これは気になる」と気が付いた事案について、どのように伝えるかは考えますね。
事案によっては会議の場で全体に聞きますが、まず社長に聞いた方がよければ社長に相談の上で進めるなど、テーマと影響の範囲によって変えています。
CFOの古田さんに相談することもよくありますし、社内のネットワークにも頼ります。
例えば会社のことをよくわかっている方に「ちょっとこういうことが気になっているのですが…」と、経営会議にかけるべきかを相談するといったことです。

まさに、中島さんならではのコミュニケーション能力を発揮されているところですね。

古田:
僕ともそうですし、色んな人と色んな場で持ち前のコミュニケーション能力を発揮されていますね。これはランチや飲み会といった場でも感じます。

中島:
常勤監査役という立場ならではかもしれませんが、社内のみならず社外の方々とのコミュニケーションも大事にしています。
常勤監査役はいつも社内にいる立場ですので、社外の取締役や監査役に対し、社内の出来事についてなるべく情報の不均衡が起きないように正しく現状を伝えるということも意識しています。
リスクの種や、社内でホットなテーマをタイムリーに共有することで社外役員の知識や経験を引き出す「つなぎ役」というのも、重要な役割の一つだと思っています。

繁忙期を計画できる、役員としての柔軟な働き方

子育てとの両立についてはいかがでしょうか。

中島:
とてもありがたい環境だと思います。
一般的にIPO審査に向けた準備というのは、本番に近づくにつれて苛酷になっていきます。
そもそも事業自体も伸び盛りで本業自体が忙しいところに、審査のための社内の体制づくりが必要になりますし、審査に充てる工数も増えていくからです。
ですが、そういった中でもリモートワークを活用しながら乗り切ることができました。
今もそうですが、繁忙期には子供たちにも「今すごく忙しい時期だから一緒に乗り切ろうね」とお願いして協力してもらい、繁忙期が終わったら少し緩めるといったことができます。

役員であるからこそのメリットですね。

中島:
そうですね。立場的にデイリーで終わらせなければならないタスクというのが少なく、スパンの長い業務が多いので、繁忙期を自分で計画的に分散させられるというところがあります。
そういった意味ではコントロールしやすいですね。

「同じである良さと、変わっていく楽しさ」常勤監査役としてのこれから

上場から半年経って、またフェーズが変わってきていると思いますが、今後中島さんに求めることはどのように変わりますか?

古田:
会社の成長と共に見るべきポイントは変わってくると思います。
子会社が増えたり、M&Aや海外事業展開をしたり、社員数の規模が大きくなったりすると、会社として持つリスク・課題が変わってきますよね。
リスク評価・課題解決のための知見の拡大や、投資先評価などについても、多角的に見てもらえると嬉しいです。
やりたいことがたくさんある会社なので、監査役が見る仕事の対象もどんどん変わってくると思いますね。

今後変わってくる常勤監査役の役割に対し、いかがお考えでしょうか。

中島:
そうですね、同じである良さと、変わっていく楽しさの両方を味わえるのではないでしょうか。
これまでよりもっと将来に向けた事業について考え、それに伴って発生するリスクについて意見交換し、未来を見据えた提案も必要になってくるのだろうと思います。

今後、こんなチャレンジもしてみたいということがあれば教えてください。

中島:
当社の常勤監査役の役目をより全うするためにという意味でも、他社の非常勤監査役を引き受けてみたいです。
当社の常勤監査役として得た知見を他社に還元し、他社で得た新たな視点を当社に活かすというところに相乗効果を生み出せるからです。

監査法人にいた時も、数社を並行で担当することで、それぞれの会社での論点から気づきを得たりしていました。様々な会社のベストプラクティスを比較したり、それを他社に活かしたり、対応策の一つとして適用してみるといったことです。

前職の2年間は「監査役とは何か」、当社での2年間は「IPOにおける常勤監査役の役割は何か」を知るということに集中しており、その間は当社に専念して非常勤は受けないと決めていました。
IPOを果たした今は、外に出て学びを得たいという気持ちも出てきました。

古田:
いいですね。中島さんにはぜひチャレンジしていただきたいです。

今後、世の中的にも子育て中の女性が常勤監査役や役員になっていくということが増えていくと思います。そういった女性の方々に対し、エールをいただけますか。

古田:
本当に、そういう方に増えてほしいと思っているんです。
企業の監査役チームは様々なバックグラウンドをお持ちの方で構成されますが、やはり会計士としての専門知識のある方は必要です。
一方で、会計士として専門知識がある方はそれほど多くいらっしゃらないので、とても貴重なんですよね。その貴重な経験や知見を十分にお持ちでありながら、発揮できない時期があるのはもったいないと思います。
常勤監査役というのは、業務量も比較的コントロールしやすいので産休・育休からの復帰の場として適していますし、世の中のニーズと女性の働き方へのニーズがマッチしているはずです。

また、スタートアップ企業は特にそうですが、世の中の会社の経営陣には男性が多いので、その中のダイバーシティという観点からも、女性はニーズがあります。

実際にセーフィーも中島さんに来てもらって、プラスの効果があったと感じているので、子育てママの監査役、ウェルカムですよ!
どんどん飛び込んでいっていただきたいですね。

       

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