【セーフィー 中島常勤監査役インタビュー】
「監査役とは何たるかを知るために、常勤監査役の職務に向き合いました」

セーフィー株式会社
常勤監査役/公認会計士
中島 早香

 

監査法人から、上場企業の取締役常勤監査等委員長を経て、クラウド録画サービスのスタートアップ企業である、セーフィー株式会社の常勤監査役として東証マザーズ上場をご経験された中島早香さん。

監査役として経営陣へ接する際の心構えや、会社選びにおいて大事にしていたもの、上場準備を通して学んだこと、子育てとの両立は可能なのか、等のテーマについて、お話を伺いました。

最終更新日 2021.12.29
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

常勤監査等委員長という新たなキャリアにつながったご縁

監査法人から事業会社へのご転職の経緯について教えてください。

当時は、監査法人で定年まで働くことも考えていました。
しかし、二児の出産を経て、同僚が遅くまで働く中、自分一人だけ早い時間に帰宅することや、リモートワークをすることに対して、負い目を感じるようになり、次第に、両立が難しいと考えるようになりました。
そんな折、前職のCFOに出会う機会があり、常勤監査等委員長としての参画を打診されました。その際はお断りしましたが、初めて監査法人以外のキャリアがあることに気付き、興味を持つようになりました。
数年後、ちょうど仕事と子育てとの両立に悩んでいたタイミングで、再び声を掛けていただき、ご縁を感じました。その方からは、私の専門性のみならず、人柄でも選んでいただき、
「中島さんなら、経営陣の思いに寄り添いながらも、適切にチェック機能を果たしてもらえるはずだ」と伝えてもらえたことで、新たなキャリアに挑戦しようと決意しました。

非常勤ではなく常勤の監査役としてのキャリアをスタートさせることについて、どのようなお考えがあったのでしょうか。

監査役とは何たるかを知るためには、常勤監査役を務めて、その職務に正面から向き合う必要があると思いました。

ゆくゆく、お声を掛けていただくことがあれば、常勤監査役としての経験を活かして、非常勤の仕事をさせていただくことも、検討したいと思っています。

「会社をより良くしたい」という思いは取締役も監査役も同じ

事業会社へ転職されて、いかがでしたでしょうか。

それまで従事していた会計監査業務は、会社の業務においてほんの一部にすぎないということを痛感しました。業務監査を実施するにあたり、事業そのものの理解をはじめ、総務や法務など、分からないことばかりで落ち込みました。

それに加え、監査役には、株主総会での報告責任があることから、はじめは不安な思いもありました。

しかし、「何事も、一年間はまず勉強」と考え、経営陣や社員と積極的にコミュニケーションをとりながら、全力で取り組みました。

どのようなことを意識して取り組まれているのでしょうか。

私は本来、人に指摘することが得意ではありませんでした。
しかし、改善すべき点に気付いても伝えないことは、優しさではなく、監査役としての役割を果たさないことになってしまいます。
一方で、自分の身を守ることばかりを考えて、何でも杓子定規に指摘をしていけば良いという訳でもありません。

取締役も監査役も、「会社をより良くしたい」という思いは同じです。
社会の公器としての会社をより良いものにするために、取締役には「こういうことも考えられますが、どう思いますか?」と提案するようにしています。

また、外と中のパイプ役として、公認会計士のネットワークや監査役協会実務部会を通して得た知見を踏まえ、情報提供や提案を行っています。

会社選びは、誠実さや相性が大きな決め手

会社選びにあたっては、どのような点を重視されましたか。

誠実さです。セーフィーの役員と会ったとき、「社会の課題を解決したい」という思いが伝わり、非常に誠実な印象を受け、この姿勢が結果的に、ステークホルダーに対する誠実さに繋がってっていくと思いました。
また、自分が何か指摘をしたときにも、きちんと向き合ってくれるだろうと信頼できました。

さらに、経理をはじめとするコーポレート部門の社員と面接する機会もいただきました。社員同士とても仲が良く雰囲気も良かったため、面接でもすぐに打ち解けて話すことができました。深く連携する必要がある部門の社員と良好な関係を築いていけそうだと感じたことも、決め手となりました。

上場準備のご経験は、どのようなものでしたか。

上場において、課題となるポイントは決まっていますが、答えがあるわけではありません。
会社によって、取締役会を構成する役員のスキルは様々であり、自分に求められるものも異なってきます。
そのため、会社でどんな事が起きているかを把握し、役員を理解しながら、取締役会が重要な意思決定をするための提案を続けました。

また、コンプライアンス意識の醸成等、社内への周知や改善に時間がかかるものについては、コーポレート部門との連携が非常に重要となります。
社内の様々な部門間のコミュニケーションの積み重ねにより理解が深まり、会社は良くなっていくのだと実感しました。

勢いのある会社であっても、監査役には、常に冷静なブレーキ役としての役割が求められます。
逆説的なようですが、上場準備を通して、「上場できるできないに関わらず、その会社にあったスピードで成長すること」が重要であると考えるようになりました。

結果的に、証券会社等、外部からもアドバイスを受けながら、監査役としてのスキルを一から学び直せる機会となりました。

常勤監査役は、今から目指す女性にとってトライしやすい環境

子育てとの両立についてはいかがでしょうか。

夫は出張が多いため、平日の育児はほとんどワンオペです。しかし、柔軟にリモートワークを取り入れられるため、無理なく続けられています。

リモートワークの日のスケジュールの一例を挙げると、次の通りです。

7時半に子どもを学校へ送り出す。
8時半まで家事をこなし、その後仕事を始める。
15時頃、子どもが帰宅する。同じダイニングテーブルで宿題をさせながら、仕事を続ける。
18時から夕食準備を始める。

コロナ禍により働き方の自由度が高まり、これまでのように「自分だけリモートワークさせてもらっている」という肩身の狭い思いをせずに済むようになりました。

今から常勤監査役を目指す女性にとっては、トライしやすい環境ではないでしょうか。

今後のキャリアプランについて、教えてください。

セーフィーは上場したばかりであり、これからの一年が、軌道に乗るかどうかの勝負となります。ステークホルダーの皆様が納得する開示をして、当社が誠実な会社であることを示していきたいと考えています。そのため当面は、今の業務に集中したいと思っています。

今後のキャリアにについては、子どもたちの成長とのバランスを見ながら、これまで同様、「あなたにこれをやってほしい」と頼んでいただけるようなご縁があれば、その時に考えていきたいと思います。

       

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