【クリエイターズマッチ 武田監査役インタビュー】
「保健室の先生のような存在」フリーランスのFPから監査役というキャリアへ

株式会社クリエイターズマッチ
常勤監査役
武田 浩美

 

監査役として活躍する女性は、どのようなキャリアを持っているのでしょうか。

監査役といいますと公認会計士、弁護士出身のイメージをもつ方も多いですが、当メディアのインタビューでは公認会計士、弁護士以外の様々なキャリアを持つ女性監査役を紹介いたしました。

今回ご紹介するのは、フリーランスのファイナンシャル・プランナー(以下、FP)から監査役のキャリアを歩む、株式会社クリエイターズマッチ(以下、クリエイターズマッチ)の武田浩美さんです。FPとして独立し、個人や法人のサポートのみでなく、執筆や講師業まで幅広く仕事をされてきたそう。フリーランスで積極的に仕事を受注されていた経験からみえてきた武田さんの揺るがない軸は、キャリアを考える人の背中を押してくれるでしょう。

フリーランスのFPから監査役というキャリアを歩まれた、武田さんの心を突き動かしたものは何だったのでしょうか。

最終更新日 2020.08.17
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

自ら行動するのが普通だったフリーランス時代

FPとして個人事務所を設立されていたそうですが、当時はどのようなお仕事をされていたんですか?

FPの資格を取得してから初めの時期は、パーソナルファイナンスをメインに仕事をしていました。そこから法人の案件をいただく機会が増えるにつれ、経営やマネジメントにも携わりたいと思ったんです。

初めはつながりや実績もなかっため、とにかく自分から動くようにしていました。海外にいた時に本の著者に会いに行って様々なチャンスをいただいたり、マネー雑誌を見て有名なFP事務所に直接連絡してみたり、言われなくても企画書を作って用意していたり……。

「この人と働きたい」と思ったら、自分から積極的にアプローチして仕事をいただくこともありました。今思えば怖いもの知らずで恥ずかしく思うこともあります。

そこからスタートアップや小規模な会社さんの経営管理業務のサポートを業務委託でお引き受けするようになり、法人と関わる仕事がメインになりました。不動産、病院、セラピストの学校、WEB制作会社など多様な業種に携わらせていただき、視野も広がってきました。

現在監査役を勤めていらっしゃるクリエイターズマッチも、個人事務所時代のクライアントだったそうですね。

そうですね。クリエイターズマッチは創業前から、業務委託で経営管理の責任者をしていました。

はじめはWEBバナー・LP専業の制作会社だったのですが、そこからすごいスピードでIPOを目指す会社に成長していったんです。事業会社からの出資を受ける前に「そろそろ経理の責任者が業務委託では、信頼性が欠ける」というご意見や、創業から関わった会社のIPOを手伝いたいという思いから、フルタイム契約になりました。

「この人の会社なら成功する」社長を信じてフリーランスから現職へ

フリーランスで幅広く活動されていてたくさんのチャンスがあった中で、クリエイターズマッチに決めた理由を教えてください。

実は、弊社の代表取締役はもともと私が関わっていた会社に来ていた営業マンだったんです。その営業スタイルやトークが面白くて、「営業の天才」だと思いました。「この人が社長の会社であれば絶対に成功する」と直感的に感じていましたね。なので、起業したと言われたときに一緒に仕事したいと自分から申し出ました。

創業時の社長や役員の頑張りも目を見張るものがありましたし、いつ会社に行っても誰かが仕事している状態で、社長の熱量を役員たちもしっかりと引き継いでいました。常勤監査役の話をいただいたのはIPOを目指すタイミングで、上場企業の経験がなかった私は、大企業からいらした経営管理責任者にバトンタッチさせていただきました。

これから監査役として会社を選ぼうとしている方は、社長をしっかりと見ることが大切だと伝えたいです。

FPの業務と監査役の仕事はどう違いましたか?

FPや業務委託時代は経営管理の部門だけだったので、データと向き合っていればよかったんです。しかし監査役は人と向き合う必要がありました。最初は何をすればいいかがわからなかったので、手探りで本を読んだり日本監査役協会を積極的に利用したり、社外監査役に相談することも多々ありましたね。

IPO準備中は会社規程がたくさん出来て、ルールも大きく変わります。日本監査役協会で学んできたことを自社用にアレンジをしたり、小さな会社に上場企業のルールをどう合わせていくかなど試行錯誤しながら進めました。ルールが変わったおかげで、働きやすい環境になり、社員にとって良い面もたくさん出てきました。

正解がなく様々なやり方があるのが監査役の仕事なので、始めは自分のやり方があっているのかわからないという不安も多かったです。1期目を終えてやっと、自分のやり方がわかってきたような気がします。

自分のポジションは「保健室の先生」

武田さんが監査役として大切にしていることはありますか?

監査役の知識で言いますとベテランの方には敵わない点もありますが、社員とのコミュニケーションは大切にしています。

社員との面談もよくしますし、社内のチャットグループでもメーリングリストでも必要であれば見られるので、情報は入りやすいです。監査役との面談が初めての方には「なんでも話してほしい。上司に伝えてほしくなければ言いませんし、逆に社長に直接伝えてほしいことがあれば伝えます。」と話しています。

監査役によって、距離感やコミュニケーションのあり方も違いますが、私は誰とでも接触できる強みを生かして、「保健室の先生」ような存在でいたいと思っています。保健室の先生は、担任クラスは持ちませんが、広く誰とでも悩みや問題の話を聞くことができる立場にあります。ちょっとした変化を見逃さないなど、監査役と近い役割を感じています。会社がより良い方向に向かうために現場の状況、役員の行動を把握し、情報をキャッチして伝えていければいいなと思っています。

女性の働き方として監査役という選択肢は、どのように思いますか?

働きやすさや、専門知識・コミュニケーション力が活かせるという点では、挑戦してやりがいのある仕事だと思います。ただその反面、評価されにくい仕事であることも事実です。会社で起こる問題は見つけて嬉しいものではないですし、嫌われるようなことも伝えなくてはいけません。監査役の立ち位置的にも、責任が重く孤独を感じる方も多いですね。

ただ企業で女性が働いている母数がそもそも少ないので、年齢が上がると周りの同年代の女性が少なくなるのは、どの仕事でも似たような環境だと思います。一方で女性監査役は、女性同士の繋がりを大事にしている方が多いので、何か困ったときに支えてくれる環境があります。ですから監査役というポジションで孤独ではあっても、仲間がいる感覚はあります。

今後はどのようなキャリアを歩んでいきたいですか?

まずはクリエイターズマッチがIPOできればうれしいです。「クリエイターを幸せにする会社を作りたい」というのが、社長の夢でもあるので。

今の会社だけではなくこれまでも、直感的に「この人と働きたい」と思って仕事をしてきたので、今後もそういった出会いがあれば挑戦したいと思っています。監査役という役職に大きなこだわりはなく、もしタイミングがあったら、また業務委託から実務に携わりたいですね。勢いのあるスタートアップは関わっていて楽しいので、また出会えることを願っています。

       

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