【ワンダープラネット 森常勤監査役インタビュー】
「泥臭い仕事が好き。」会社を、人を、深く知ることが常勤監査役の醍醐味

ワンダープラネット株式会社
常勤監査役 森 志帆

公認会計士としてIPO支援やM&A支援を経て、2022年11月にワンダープラネット常勤監査役に就任されたばかりの森 志帆さん。
フレッシュな常勤監査役ならではの気づき、営業時代の仕事との共通項や子育てとの両立についてお話しくださいました。

最終更新日 2023.1.27
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

営業職から公認会計士へ

公認会計士はキャリアの途中からだと伺いました。

はい。新卒でシャープ(株)の大阪本社に入社し、営業本部に配属されました。
同期入社のメンバーには、「営業職とはいえ簿記くらい分からなければならない」と積極的に勉強をする人もいる中、入社当初の私は簿記にも全く興味が湧かず、何の知識もない状況でした。

全く違う畑から会計士に挑戦されたのですね。どういったきっかけだったのでしょうか。

シャープに入社した2008年の9月にリーマンショックが起きて、仕事がペースダウンしてしまったんです。
私はまだ23歳でしたし、積極的に働きたい気持ちがありました。
ですが、転職するにしてもアピールポイントもなかったので、何か資格が必要だと思い色々な資格を徹底的に調べたところ公認会計士にたどり着きました。

公認会計士について調べていく中で、資格取得の予備校のパンフレットで実際に会計士として働いている方のインタビューを読みました。そこでは、先輩会計士の方々が会計士の魅力について、「経営者に面と向かってアドバイスができる」「会社やビジネスを様々な側面から見て、知ることができる」「数字は嘘をつかない」といったことをおっしゃっていて、私自身数字が好きなこともあり感銘を受けました。
そうしているうちに、会計士の仕事に魅力を感じ、会社を退社して資格の勉強に専念しました。

IPO支援を通して、小さな会社を一緒に育てていくことにやりがいを感じた監査法人時代

実際に会計士として仕事を始められて、いかがでしたか。

資格取得後、有限責任監査法人トーマツ東京事務所に入所し、トータルサービス事業部という部署に入りました。
倍率は高かったのですが、どうしても入りたかった部署だったので、配属されたことが嬉しくて、非常に高いモチベーションで働いていました。
この部署では、その名の通り「お客様に対してトータルに何でも支援」するのですが、その中でも特にIPO支援を多く行っています。ですから主要なお客様はあまり大規模な会社ではなく、上場間もない会社や、これから上場しようとする小規模な会社でした。

森さんはこれから成長していこうとする企業の支援に魅力を感じるのですね。

そうですね。そう感じるのはシャープ時代の経験も影響しています。
私は営業として色々な会社に伺って、様々なデバイスを見せながら「御社の電子機器に搭載するとこんなことができますよ」といったデモをしていました。
誰もが知っている大手メーカーから中小企業まで様々な会社を訪問しましたが、その中でも楽しかったのが名古屋にあるパチンコ製造メーカーを訪問し、LED照明のデモをして見せた時です。
先方の関心が強く、デモの最中も沢山質問をしてくださったので、私も色々とアドバイスをすることができ、そのやり取りがとても楽しく感じられました。
中小企業の方々と1対1で話す楽しさや、一緒に新しいものを育てていくようなワクワクする感覚が忘れられず、私は会計士としても、中小企業と様々な問題も全て一緒に考え乗り越えていくような仕事がしたいと思いました。

「泥臭い仕事が好き。」地方でのM&A支援の面白さ

その後、森さんはM&A業務にも携わっているのですね。

結婚を機に、私の地元でもある愛知県に引っ越すことになり、トーマツ時代からのご縁もあって日本M&Aセンターという会社に転職しました。
M&Aに興味があったのはもちろんですが、地方の後継者不在に悩む経営者の方と真摯に向き合ってM&Aを取り進めていくことに、やる前から絶対的な面白さを感じていました。
私は、泥臭い仕事の方が好きなんだと思います。

泥臭いというのは、定石通りに行かない仕事ということでしょうか。

はい。会計士の仕事には、定石に沿ってスマートに進められるものもあると思います。
一方で、経営者一人一人の悩みに対する解決策や、解決の方向性をその時々で工夫しなければならない、もしくは色々な人と根気よく話して、「ああでもない、こうでもない」と様々な手法を試してみて、フィットする解決策を模索していかなければならないような仕事もあります。
地方の古い企業のM&Aというのは、ご高齢の経営者が、わが子のように育ててきた会社を手放そうとしているわけですので、非常にエモーショナルな部分もありますし、売り手・買い手双方の思いを最後までまとめ上げていかなければならない仕事でした。
そういう意味ではドラマチックな部分もある泥臭い仕事と言えます。

そういう人の複雑な思いに向き合って解決策を模索するところに面白みを感じているのですね。

会計士として首都圏のベンチャーの社長とは関わってきましたが、地方の昔からのカルチャーを受け継いでいる小規模企業の社長とは話したこともなく、一度どんな世界なのかを見たいという思いがありました。
実際のところ、ベンチャーと地方の後継者不在に悩む会社とでは、考え方、マインド、目指すところも異なり、見ているものが全然違うんです。
そういったベンチャーの経営陣とは異なる考えに触れながら地方の社長の悩みに向き合うということ自体が新鮮で、とても楽しかったですね。

子どもと過ごす時間を大事に。常勤監査役と子育ての両立

ご自身の会計士事務所を立ち上げられていますが、これは前からずっとイメージされていたことですか。

いいえ、息子が生まれたことがきっかけでした。
子育ては人生に一度しかないので、息子が小さいうちは仕事をある程度セーブして、子育てを中心にしたいと思ったんです。
事務所といっても私一人ですし、フリーランスの会計士になるのが一番いいと思い立ち上げました。
その半年後くらいにトーマツ時代の先輩の紹介で、ワンダープラネットの常勤監査役のお話をいただきました。

ワンダープラネットは、IPOしたばかりのベンチャー企業ですよね。

はい。古くからある企業のM&Aも面白かったのですが、東京時代の人たちからIPO支援の話を聞いたりしているとやはり後ろ髪を引かれる思いがあり、やってみたいと思いました。

監査役就任に向けて、何か準備などされたことはありましたか。

就任が決まったその日に、Amazonで新任監査役のための本を3冊買ってすべて読みました。
前任の監査役からも、日本監査役協会から出ている動画を勧められて観ました。
こういった動画などは多く出ており環境が整っているので、監査役になりたい人やご興味がある人は利用されるとよいと思います。

実際に常勤監査役に就任されて、いかがでしたか。

これまでの仕事とは全然違った面白さがあります。
監査法人の仕事はよく、「その会社のことを全部知ることができるから面白い」などと言われますし、自分自身でもそう感じていました。
ですが、常勤監査役になった今の立場から当時を振り返ると、分かっていたのは会社の一部分でしかなかったと思います。
いざ自分が社内に入って、監査役会や取締役会に出たり、日常的に現場の社員の人達にインタビューしたりすると、本当に色々な情報に触れることができます。
会社を深く知るとはこういうことか、と実感しました。

会社を深く知るために心がけていることはありますか。

とにかく色々な人の意見を深く聞こうと心がけています。
何かが起きた時に、当事者だけではなく周囲の人にも話を聞くようにしています。
起きていることは同じでも、見えていることが人によって違うということがよくあります。
同じ事象についても色々な人に聞いてみると、「人によってこんなに捉え方が違うんだ」と思い知らされることがありました。
様々な側面からその事象を理解することが、会社を深く知ることにつながると思います。

監査役という立場を孤独なのではないかと心配し躊躇される方もいるようです。就任されてみてどのように感じていますか。

監査役は、現場の社員と違う視点からものごとを見てはいますが、敵ではなく仲間です。
何かが起きた時に、リスクや今後の改善について一番に考える役割というだけで、会社を良くしていきたい、大きくしていきたいと思うのは一緒だと思っています。
実際に、普段から色々な人たちとよく話す役職なので孤独とは思っておらず、仲間という意識の方が強いですね。

子育てとの両立という面で、監査役の仕事はいかがでしょうか。

息子と過ごす時間は取りやすいです。
監査役をしていると、急なミーティングやその他いろいろな事態が突発的に発生することがあるので、そういった場合には自分の母親に頼ったりすることもありますが、基本的にはコントロールしやすい仕事です。
取締役会や監査役会、その他重要な定例会議はあるものの、それ以外の仕事は期限もタイトなわけではなく自分で計画を立てて進めることができます。
ですから、子供との時間を大事にしながら仕事をしたい方にとっては働きやすい職業だと思いますね。

これから常勤監査役を目指す女性に向けて、メッセージをお願いします。

就任前は、「監査役の業務というのはどのようなものだろうか」と考えていましたが、実際にやってみると非常にやりがいがあります。
経営者と間近で話すことができますし、経営者がものすごいスピード感で考えているその場に直面し、自分もその一員として一生懸命考えて答えを出していくことが、とても面白いです。
加えて、色々な社員の方と話す機会が多いので色々な考え方を知ることができたり、会社を良くしようと社員の方々と一緒に取り組めたりするところも魅力的です。
とても楽しく、スケジュール面の融通も利く仕事なので、迷われている方がいらっしゃるなら、ぜひチャレンジしてみていただきたいです。

       

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