【フェズ 水光常勤監査役インタビュー】
「攻めのリクルート、守りの司法書士からスタートアップ監査役というキャリアへ」

株式会社フェズ
常勤監査役
水光 涼

 

新卒で株式会社リクルート(旧:株式会社リクルートエージェント。以下、「リクルート」)に入社し人材紹介業務に従事。その後、司法書士試験に合格し、営業色の強いリクルートとは真逆のキャリアとも言える司法書士資格を取得。司法書士として株式会社フェズ(以下、「フェズ」)の設立手続きを受任。その後、自らが設立登記をしたフェズにジョイン。バックオフィス業務のサポートを担当し、その後常勤監査役に就任した水光涼さんに、スタートアップの常勤監査役という仕事の実態を中心にお話を伺いました。

最終更新日 2021.09.14
※役職はインタビュー実施日現在のものです。

リクルートから司法書士を経て、スタートアップの常勤監査役に就任するまで

リクルートから司法書士を目指したきっかけは?

名刺代わりとなるキャリアを得たいと思ったからです。

新卒でリクルートに入社して、人材紹介の法人営業を担当し、日々様々なことを学ばせていただきました。多くの求職者の履歴書を見て仕事をしていると、ふと我に返った時に「自分の履歴書に書ける専門性がない」と焦りを感じました。

女性は結婚や出産などのライフイベントによりキャリアが分断されてしまうことが多いので、どのような状況になっても名刺代わりになる資格とキャリアがあれば、市場価値の高い人材でいられるのではないかなと。母が司法書士だったこともあり、リクルートを退社して資格の取得に専念しました。

常勤監査役に就任するまでの経緯を教えてください。

司法書士として設立登記をさせていただいたことがきっかけで、少し関わらせていただいていたんですが、事業がスケールし始めるタイミングで、本格的にバックオフィス業務(というよりフロント以外全て(笑))を手伝って欲しいとオファーをいただき、司法書士業務と50:50くらいでよければとジョインすることを決めました。
1年ほど経ち、取締役会を設置するタイミングで常勤監査役のオファーを頂きました。

当時より上場を見据えていたため、適任者が見つかるまでの一時的なものかと思ったら、そうではないと言われたので、かなり驚きました。監査の経験も全くなく、当時妊娠5ヶ月だったので、私で大丈夫なのかと…ただ、私にとっても非常に大きなチャレンジになるし、こんなチャンスはなかなか巡ってこない思い、その場で快諾させていただきました。

就任後は、どのようなことから始めましたか?

電話を切ったあとすぐに本屋さんに行き、「はじめて監査役になったら」といったような監査役の仕事に関する書籍を探しにいきました(笑)。どんな仕事でもそうだんと思うんですが、書籍には総論や考え方だけで答えは書かれていないので、会社の状況に合わせ、自ら考えて、経営陣と意見交換を重ね、手探りで進めています。これは今でも同じです。

常勤監査役を始める前の不安はありましたか?

法律知識は多少あれど、会計知識は簿記3級レベルで、監査経験も経営経験もないので、私でいいのかという不安はありました。(今でも正直この不安は拭いきれてないです。。)
ただ、それを上回るワクワク感があります。未経験でこんな大役をいただき、チャレンジさせてもらえるなんてこんなチャンスはなかなかありません。この不安と期待を乗り越え努力を重ねた結果、大きく成長できると信じて日々突き進んでいます。創業時から上場まで監査役として携わり、会社の成長に貢献できれば、これ以上名刺代わりになるキャリアはないですね。

スタートアップの魅力は、できていないものを作り上げるところ

フェズを選んだ理由を教えてください。

経営陣が人格者であり、目指している世界観も壮大なものを当初から描いていたからです。自分の身を置く環境って成長のためにはすごく重要で、フェズは30代のキャリアを過ごすのに最適だと感じたためです。

IPO準備企業の監査役の特徴はありますか?

上場企業は内部統制やガバナンス体制が既に形作られていますが、IPO準備企業は一からを自分たちで作っていく感じです。社内の管理体制をいきなり上場会社の基準まで整備していくのは難しいので、どこで折り合いをつけるのかを決めていかなければなりません。「今は最低限このラインまで整備し、将来的にこの時期にはここまで整備しよう!」などを社員と一緒に進めています。

スタートアップが好きになったきっかけは何ですか?

新卒で入社したリクルートでの配属が新規事業の部署だったことが大きいです。。キャリアや性別、年齢など関係なくみんなで0からサービスを創っていくという環境にファーストキャリアで放り込まれましたので、カオスな方がやるしかないとテンションが上がりますし、整備して会社・組織になっていく過程が好きなんです。スタートアップには明確な意志を持って来ている人が多いですし、主体性があれば学べることは無限にあるので、成長するにはうってつけの環境だと感じています。

今までのキャリアが常勤監査役をする上で活きていることはありますか?

ファーストキャリアが営業だったので、事業部側の気持ちや大切にしていることが理解しやすいことです。管理側の要求や依頼事項って、フロントで戦っている事業部の方からすると面倒なことが多いので(笑)売上を作る事業部あってこその会社なので、事業部サイドの気持ちも尊重しながら、守るべきラインをすり合わせできるのは、事業部サイドのキャリアが活きていると思います。

監査役の働き方

大変なことはありますか?

監査役としての責任は非常に重いです。法的責任やステークホルダーからの期待など考え出すと重圧に押しつぶされそうになるので、「殺されるわけじゃない」とあまり考えないようにしています。(笑)
会社が不健康な状態の時になると、不正が起こりやすくなると思ってるので、みんなが健やかに働けているかを気にするようにしています。

ジェンダーについて

フェズの取締役、監査役で女性は私だけなので、女性役員が増えればダイバーシティの観点からもいいなと思いますが、やりづらさを感じることはあまりないですね。経営陣をはじめ、スタートアップにしては子育て世代が多く、非常に理解があるので、働きやすい環境だと思います。

常勤監査役にはどのような人が向いているのでしょうか?

まだまだ経験が少ないので、恐れ多いですが、常勤監査役にとって以下の2つの素養が重要だと思っていて、私自身も日々研鑽しているとことです。

①コツコツとやり続ける誠実性
②相手の立場に立って、事実を引き出す傾聴力

一つ目は、監査計画を立案して監査を実施し、改善すべき事項があれば適切に指摘し、改善されているかチェックする。とても地味ですが、第三者的な視点でモニタリングを続けPDCAを回し続けることは会社経営にとって非常に重要だと考えています。
二つ目は、メンバーとの距離や障壁を極力なくし、現場で何が起こっているのか事実を引き出す傾聴力が必要だと感じています。こちらから取りにいかずとも、周りからちゃんと情報が入ってくるように、経営陣だけでなく、様々なメンバーと交流を持つことを大切にしています。

       

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